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こんばんは。突然ですが、あなたは
「ほんとうのこと」だけで、生きていけると思いますか?
わたしが話す物語は、アレイシアという真実の歌姫の物語。
嘘が、わかるのです。
言葉の裏に隠れた、ほんとうじゃないもの。
それは、紅い色をしている。
……だから、彼女は決めました。
嘘はつかないって。
どんなときでも、ほんとうのことだけを歌うって。
それが、彼女の“在り方”なのだと。
彼女の話を、聴いてください。
歌1:アトモスフィア/はるまきごはん
でもね。
……ほんとうのことって、
きれいなものばかりじゃないんだよね。
大人になるにつれて、
わたしの周りは“紅い色”でいっぱいになっていった。
見ないふりをする人。
気づいてるのに、笑う人。
……どうして?
ほんとうを言えばいいのに。
……でも。
ほんとうを言えない理由があることも、
わかってしまうから。
わたしは、ただ歌うだけ。
誰かのために。
……ほんとうを、届けるために。
そうしたら、真実の歌姫、って呼ばれるようになったんだ。
歌2:秘密/はるまきごはん
……ある日ね。
花畑のある場所で、小さな子に出会ったの。
その子はわたしと同じで、“色”が見える子。
その子はわたしに言ったの。
「お姉ちゃんお願い!魔法の歌で、光るお花、見てみたい!」
昔、教えてもらった、光る花を咲かせる歌があるんだ。
トカールが教えてくれたの。
本当はね、花の妖精にしか歌えない唄。
でもわたしは——
歌で、魔法を使えるから。
…だから、うたうね。
「咲いて、揺れて、光を纏って——
どうか、この子の世界が、やさしくありますように」
歌3:トカールの花歌
歌4:ももいろの鍵/いよわ
…花は、ちゃんと咲いたよ。
光ってて、やわらかくて。
まるで、世界そのものが祝福してるみたいだった。
その子は、それはとても嬉しそうで。
……そのとき、思ったの。
「この子の目に映る世界が、
ほんとうに美しいものであってほしい」って。
歌を歌った後、その子が、わたしの手を引いて。
花を抱きしめながら——
「僕とお姉ちゃんが見えてる世界は、
大人になったら、もっと綺麗なんだろうなぁ」
と言った。
わたしは——
「………。」
「……うん、とてもきれいだよ」
……そう、言った。
……それが、いちばん苦しかったなぁ。
歌5:わたしは禁忌/いよわ
花を渡したその子は街に帰る時間だったらしく、お別れをして手を振った。
そのあと、一陣の風が吹いた。
風は、美しい花畑を揺らして——
やがて、空へと消えていった。
